2019-01-01から1年間の記事一覧

死霊館

ジェームズ・ワン監督 2013 アメリカ ☆☆☆☆ 死霊館シリーズ一作目。ホラーといえば夏のものっていう感覚、海外にもあるのだろうか。 有り金はたいて購入した夢のマイホームは多くの霊が住み着く幽霊屋敷だった!次第にエスカレートしていく状況の中、被害…

エルミタージュ幻想

アレクサンドル・ソクーロフ監督 ロシア 2002 ☆☆☆☆ そのコレクションの多さと建物自体の壮麗さ、広大さでも有名なエルミタージュ美術館を舞台に、華やかなりしロマノフ王朝の軌跡を辿る幻想の旅路をワンカット一発撮り!という驚異のコンセプト。少し前…

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

ショーン・ベイカー監督 アメリカ 2017 ☆☆☆ 思っていた以上に社会派な映画で、面白いとは言い難いものの、観るべき映画ではあった。 ディズニー・ランド近くに実在する、パステルカラーで彩られたモーテル「マジック・キングダム」には、その日暮らしの…

闇のバイブル 聖少女の詩

ヤロミール・イレシュ監督 チェコ 1969 ☆☆☆☆ 噂には聞いていた幻想ゴシックロリータ映画の金字塔。評判通りの美しさと評判以上のわからなさ。特に物語はあまりに分からなかったので検索したところ丁寧に解説してくれているブログがあり一応全体像は見え…

スウィート17モンスター

ケリー・フレモン・クレイグ監督 アメリカ 2016 ☆☆☆☆ 映画のタイトルや雰囲気から予想した内容より斜め上の作品だったが、とても面白かった。主人公のネイディーンがとにかく可愛く、そしてちょっと切ない。ティーンの主人公に共感しながら映画を観るっ…

バジュランギおじさんと、小さな迷子

カビール・カーン監督 インド 2015 ☆☆☆☆ バーフバリ以来のインド映画だがとにかくヒロインの少女が可愛すぎるのと、主人公バジュランギおじさんことパワン登場シーンのダンス、力はいりすぎ。 インド映画ってなんか尺長めの物が多いのは、やっぱり思いつ…

三月のライオン

矢崎仁司監督 日本 1992 ☆☆☆☆ スタッフ五人くらいで撮ったというどの付くインディーズ映画。どの場面も映像が美しくて、特にヒロイン・アイスの魅力がやばい。脚本がどうのという作品でもなく、八割方彼女の魅力と絵面で成立しているような映画だけど、…

忘れられた人々

ルイス・ブニュエル監督 メキシコ 1950 ☆☆☆☆ メキシコの名匠ルイス・ブニュエルを初めて見る。有名な「アンダルシアの犬」「皆殺しの天使」なんかの作品概要だけは知っていたのでシュールな作風のイメージだったが、本作は別段そういったところのない、…

ガッジョ・ディーロ

トニー・ガトリフ監督 フランス 1997 ☆☆☆☆☆ フランス人の青年ステファンは亡き父の面影を偲び、父がよく聞いていたノラ・ルカという歌手を探して旅をしている。ある時ルーマニアの田舎町で泥酔しているロマの爺さんと言葉は通じないものの意気投合したス…

BLAME!

瀬下寛之監督 2017 日本 ☆☆☆ これはめちゃくちゃ楽しみにしていただけにやや残念だった。これを初めて見ることでBLAMEの世界に触れたのなら十分面白かったと思うけど、如何せん自分は10年来の原作ファンなのでどうしてもハードルが高くなっている事はあ…

真白の恋

坂本欣弘監督 2017 日本 ☆☆☆☆ 障害者との恋愛を主題に据えた映画と言うとかの名作「ジョゼと虎と魚たち」とどうしても比較してしまうが、本作は新人監督がほとんど無名の俳優ばかりで作ったものにもかかわらず、マジでジョゼに負けず劣らずの名作だった…

孤独のススメ

ディーデリク・エビンゲ監督 オランダ 2013 ☆☆☆ この手のタイトルで特にオッサンが主人公だったりすると絶対観てしまう。老化、中年、孤独死、身につまされる共感、、、だけど本作に関しては邦題がとんだ勘違いであって、別にそういう映画ではなかった。…

ナイトクローラー

ダン・ギルロイ監督 2014 アメリカ ☆☆☆ ジェイク・ギレンホールと言えば未だにドニー・ダーコでの鏡を見つめてるイメージなんだけど、本作での彼はヤバイですね。こけた頬にでっかい目ばかりギラギラしてて、まるであの頃のウサギが乗り移ったかのようで…

ドント・ブリーズ

フェディ・アルバレス監督 2016 アメリカ ☆☆☆☆ 想像していたより人間ドラマやサスペンス色が強めの作風だったが、面白い。 デトロイトに暮らす男2女1の若者3人組。生活苦や小遣い欲しさから空き巣を繰り返している。あるとき1人暮らしで盲目の老人が…

ヘレディタリー/継承

アリ・アスター監督 2018 アメリカ ☆☆☆☆ 近年話題になるホラーと言えば「ドント・ブリーズ」や「イット・フォローズ」とかアイディア一発系の印象が強かったけど、本作の恐怖はなかなか可視化されない不条理、且つお耽美な雰囲気も漂うもの。とはいえや…

悲しみに、こんにちは

カルラ・シモン監督 2018 スペイン ☆☆☆☆ 欧州の映画祭で話題になっていた作品。監督は女性でこれが初監督作。彼女自身の体験がモデルだという。 両親を病気で失った少女フリダは叔父夫妻に引き取られ、都会から緑豊かな田舎の一軒家へと引っ越す。彼らの…

フィツカラルド

ヴェルナー・ヘルツォーク監督 1982 西ドイツ ☆☆☆☆ あんまり期待してなかったしなんせ150分以上もある映画なので2日に分けて適当に見るかと思っていたが、面白過ぎて一気に見てしまった。全く退屈せず。 アマゾン流域の田舎町にオペラハウスを建設するの…

わたしはダニエル・ブレイク

ケン・ローチ監督 2016 イギリス ☆☆☆☆ 以下ネタバレ在り 地味な社会派映画がパルムドールをとったとの事で観てみたが、素晴らしい作品だった。ケン・ローチって名前は知りつつも初見だったが凄い。 心臓疾患により医者に仕事を止められてしまった初老の…

500ページの夢の束

ベン・リューイン監督 アメリカ 2017 ☆☆☆ 自分好みの作品に出ていることが多い妹のエルはよく見るものの、姉のダコタ主演作って意外と初めて見たような気がする。あんまり顔の似ていない姉妹だが、本作でのお姉ちゃんもまあ可愛い。GAPのカタログのよ…

霧の中の風景

テオ・アンゲロプロス監督 1988 ギリシャ ☆☆☆☆ ずっと観てみたかったこの監督の作品だが、配信系の映画サービスにも近所のTSUTAYA店舗にもなく、購入を除けば、ツタヤディスカスしかレンタルの道は無いと思われる。ただディスカスでもやはり枚数…

禁じられた歌声

アブデラマン・シサコ監督 2014 フランス・モーリタニア ☆☆☆☆ フランスではセザール賞で七冠をとり、米アカデミーでも外国語部門にノミネートされていた本作。 西アフリカはマリ共和国の古都ティンブクトゥ。そこで暮らす牛飼いの一家は慎ましくも幸福な…

パーティで女の子に話しかけるには

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督 イギリス・アメリカ 2017 ☆☆☆ 原作小説は未読。ボーイミーツガールにパンクと宇宙人と食人を混ぜ込むとは何たる奇策と思っていたが、実際見てみると思ってた以上に奇作だった。エル・ファニングの着ている千鳥格子の…

彼女がその名を知らない鳥たち

白石和彌監督 2017 日本 ☆☆☆☆ 印象的なタイトルと蒼井優の主演に惹かれてレンタル。原作は未読。蒼井優に鳥というイメージが重なると否応なくリリィ・シュシュの津田詩織が浮かんできて、観てしまった。 十和子は十五歳年上の陣治と共にマンションの一室…

SCOOP!

大根仁監督 2016 日本 ☆☆ 「まほろ駅前番外地」や「リバースエッジ 大川端探偵社」などのドラマが面白かった大根仁監督の映画作品はこれが初見だが、あまりのれず。監督の得意とする漫画的というか、こってりしつつチープな味わいとパパラッチという題材…

THE WITCH /魔女

パク・フンジョン監督 2018 韓国 ☆☆☆☆ これは多分何かのサイトのおすすめで偶然出てきたのが面白そうだったので観たのだけど、それがなければこんな面白い、肌に合う作品をスルーしていたかもしれないと思うとゾッとする。それくらい最高だった。主演の…

アリータ バトル・エンジェル

ロバート・ロドリゲス監督 2019 アメリカ ☆☆☆☆ 初めて3Dで映画鑑賞したんですけど、3Dメガネって眼鏡の上からでも何の問題も無いんですね、、、 火星との戦争により荒廃した遠未来の地球。(多分火星に入植した人々と地球との戦争?)天空に浮かぶ都市…

ありがとう、トニ・エルドマン

マーレン・アーデ監督 2017 ドイツ ☆☆☆☆ 日本のチラシや広告だと直球の家族もの、親子の和解の先に感動があるというような紹介をされていて自分もそのつもりで見たけど、確かにその要素はあるものの、全体としては全く違った姿を持つ変わった作品。とは…

緋牡丹博徒 花札勝負

加藤泰監督 1969 日本 ☆☆☆☆ シリーズ三作目。今作では冒頭の口上が別空間でなくて劇中に取り入れられる感じになっているが、そこの撮り方がまた何とも粋なミニマルで滅茶苦茶かっこよかった。 今回の舞台は名古屋で、前作と脚本の大筋は全く一緒。同じ町…

緋牡丹博徒 一宿一飯

鈴木則文監督 1968 日本 ☆☆☆☆ シリーズ二作目。前回はなぜかあまり目が行かなかったけど、お竜の着物ファッションショーも本シリーズの大きな見所であると今更気付く。素人目だけど、生地や着付け、帯の合わせなどどこの場面でもまあ綺麗で惚れ惚れ。 今…

緋牡丹博徒

山下耕作監督 1968 日本 ☆☆☆☆ ウィキによると〝東映の任俠映画が一番良かった頃〟に制作された緋牡丹博徒シリーズ全八作、これはその一作目。主人公『緋牡丹のお竜』には当時22歳の藤純子。高倉健が脇を固める。高倉健が演技してる姿ってまともに初めて…