2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

悲しみに、こんにちは

カルラ・シモン監督 2018 スペイン ☆☆☆☆ 欧州の映画祭で話題になっていた作品。監督は女性でこれが初監督作。彼女自身の体験がモデルだという。 両親を病気で失った少女フリダは叔父夫妻に引き取られ、都会から緑豊かな田舎の一軒家へと引っ越す。彼らの…

フィツカラルド

ヴェルナー・ヘルツォーク監督 1982 西ドイツ ☆☆☆☆ あんまり期待してなかったしなんせ150分以上もある映画なので2日に分けて適当に見るかと思っていたが、面白過ぎて一気に見てしまった。全く退屈せず。 アマゾン流域の田舎町にオペラハウスを建設するの…

わたしはダニエル・ブレイク

ケン・ローチ監督 2016 イギリス ☆☆☆☆ 以下ネタバレ在り 地味な社会派映画がパルムドールをとったとの事で観てみたが、素晴らしい作品だった。ケン・ローチって名前は知りつつも初見だったが凄い。 心臓疾患により医者に仕事を止められてしまった初老の…

500ページの夢の束

ベン・リューイン監督 アメリカ 2017 ☆☆☆ 自分好みの作品に出ていることが多い妹のエルはよく見るものの、姉のダコタ主演作って意外と初めて見たような気がする。あんまり顔の似ていない姉妹だが、本作でのお姉ちゃんもまあ可愛い。GAPのカタログのよ…

霧の中の風景

テオ・アンゲロプロス監督 1988 ギリシャ ☆☆☆☆ ずっと観てみたかったこの監督の作品だが、配信系の映画サービスにも近所のTSUTAYA店舗にもなく、購入を除けば、ツタヤディスカスしかレンタルの道は無いと思われる。ただディスカスでもやはり枚数…

禁じられた歌声

アブデラマン・シサコ監督 2014 フランス・モーリタニア ☆☆☆☆ フランスではセザール賞で七冠をとり、米アカデミーでも外国語部門にノミネートされていた本作。 西アフリカはマリ共和国の古都ティンブクトゥ。そこで暮らす牛飼いの一家は慎ましくも幸福な…

パーティで女の子に話しかけるには

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督 イギリス・アメリカ 2017 ☆☆☆ 原作小説は未読。ボーイミーツガールにパンクと宇宙人と食人を混ぜ込むとは何たる奇策と思っていたが、実際見てみると思ってた以上に奇作だった。エル・ファニングの着ている千鳥格子の…

彼女がその名を知らない鳥たち

白石和彌監督 2017 日本 ☆☆☆☆ 印象的なタイトルと蒼井優の主演に惹かれてレンタル。原作は未読。蒼井優に鳥というイメージが重なると否応なくリリィ・シュシュの津田詩織が浮かんできて、観てしまった。 十和子は十五歳年上の陣治と共にマンションの一室…

SCOOP!

大根仁監督 2016 日本 ☆☆ 「まほろ駅前番外地」や「リバースエッジ 大川端探偵社」などのドラマが面白かった大根仁監督の映画作品はこれが初見だが、あまりのれず。監督の得意とする漫画的というか、こってりしつつチープな味わいとパパラッチという題材…

THE WITCH /魔女

パク・フンジョン監督 2018 韓国 ☆☆☆☆ これは多分何かのサイトのおすすめで偶然出てきたのが面白そうだったので観たのだけど、それがなければこんな面白い、肌に合う作品をスルーしていたかもしれないと思うとゾッとする。それくらい最高だった。主演の…

アリータ バトル・エンジェル

ロバート・ロドリゲス監督 2019 アメリカ ☆☆☆☆ 初めて3Dで映画鑑賞したんですけど、3Dメガネって眼鏡の上からでも何の問題も無いんですね、、、 火星との戦争により荒廃した遠未来の地球。(多分火星に入植した人々と地球との戦争?)天空に浮かぶ都市…

ありがとう、トニ・エルドマン

マーレン・アーデ監督 2017 ドイツ ☆☆☆☆ 日本のチラシや広告だと直球の家族もの、親子の和解の先に感動があるというような紹介をされていて自分もそのつもりで見たけど、確かにその要素はあるものの、全体としては全く違った姿を持つ変わった作品。とは…

緋牡丹博徒 花札勝負

加藤泰監督 1969 日本 ☆☆☆☆ シリーズ三作目。今作では冒頭の口上が別空間でなくて劇中に取り入れられる感じになっているが、そこの撮り方がまた何とも粋なミニマルで滅茶苦茶かっこよかった。 今回の舞台は名古屋で、前作と脚本の大筋は全く一緒。同じ町…

緋牡丹博徒 一宿一飯

鈴木則文監督 1968 日本 ☆☆☆☆ シリーズ二作目。前回はなぜかあまり目が行かなかったけど、お竜の着物ファッションショーも本シリーズの大きな見所であると今更気付く。素人目だけど、生地や着付け、帯の合わせなどどこの場面でもまあ綺麗で惚れ惚れ。 今…

緋牡丹博徒

山下耕作監督 1968 日本 ☆☆☆☆ ウィキによると〝東映の任俠映画が一番良かった頃〟に制作された緋牡丹博徒シリーズ全八作、これはその一作目。主人公『緋牡丹のお竜』には当時22歳の藤純子。高倉健が脇を固める。高倉健が演技してる姿ってまともに初めて…

天使の眼、野獣の街

ヤウ・ナイホイ監督 2007 香港 ☆☆☆☆ 監督はジョニー・トー作品の脚本をよく書いている人らしく、自身ではこれが初監督作。サイモン・ヤムやラム・シュー、特にサイモンはえらく格好良い、おいしい役どころで最高。ケイト・ツイという主演の女性も佐藤千…

イコライザー2

アントン・フークア監督 2018 アメリカ ☆☆☆ デンゼルのガタイが1の頃よりずいぶん大きくなっていたのは気のせいだろうか。前作では臆することのない王道設定と、それを自分たちでも分かった上であえてギャグにしたかのような終盤の突き抜けた展開が最高…