2020-01-01から1年間の記事一覧

ミッドサマー

アリ・アスター監督 スウェーデン 2019 ☆☆☆☆ 以下ネタバレ有り 以前「ヘレディタリー」が非常に面白かったアリ監督は、本作「ミッドサマー」でいよいよその評価を固めつつある。本作は各所で非常に話題になっていた。 妹と両親を無理心中で失った女子大生ダ…

きみの鳥はうたえる

三宅唱監督 2018 日本 ☆☆☆☆ 佐藤泰志の原作小説は未読。終わってから「playback」の三宅唱監督だったと気付く。 函館の夏。書店でバイトしながら友達の静雄と適当に暮らしている「僕」は、ある日大して面識もなかったバイト先の佐知子に誘われ、急速に親しく…

やさぐれ姐御伝 総括リンチ

石井輝男監督 日本 1973 ☆☆☆☆ 賭場をさすらう女流侠客という設定や派手な殺陣から始まる導入などは以前見た緋牡丹博徒シリーズと共通するところが多いが、こっちは速攻で殺陣中に全裸。 昔世話になった親分の組にしばらく草鞋を脱ぐこととなった主人公、…

希望のかなた

アキ・カウリスマキ監督 フィンランド 2017 ☆☆☆☆ のんびりした独特のリズムと固定カメラ視点が生み出すユーモアと情感が大好きな監督だけど、最近の作品で彼がテーマにしているのは難民との事で、正直敬遠していた。しかしいざ見てみると、やっぱりアキ…

薔薇の名前

ジャン=ジャック・アノー監督 フランス・イタリア・西ドイツ 1986 ☆☆☆ ウンベルト・エーコの小説をフランス人監督が映画化。一見してかなりの予算が割かれており、また中世イタリアの話なのにショーン・コネリー主演で言語も英語である事から世界中で売る前…

ニーチェの馬

タル・ベーラ監督 ハンガリー 2011 ☆☆☆☆ 世界の突端で終わりを見つめているよう。タルコフスキーのサクリファイスなんかと似た雰囲気を想像していたが、もっと野蛮でどう猛な気配が終始漂う。 四六時中強風が吹き付ける原野のど真ん中に佇む小さな家、そこで…

皆殺しの天使

ルイス・ブニュエル監督 メキシコ 1962 ☆☆☆☆ 異常にかっこよいタイトル(日本版でなく原題直訳)に惹かれ以前から見てみたかった不条理劇。今回ブルーレイが安くなっていたので買ったけどパッケージ裏に書いてある「ブルジョア、無限の停滞」というコピーが…