BLAME!

f:id:wanihiko:20190811181752j:plain

瀬下寛之監督 2017 日本 ☆☆☆

これはめちゃくちゃ楽しみにしていただけにやや残念だった。これを初めて見ることでBLAMEの世界に触れたのなら十分面白かったと思うけど、如何せん自分は10年来の原作ファンなのでどうしてもハードルが高くなっている事はあると思うけど。

原作に少し出てきた電気漁師達の村のエピソードを拡大して一本の映画にしているのだけど、づるをはじめ、シボ、サナカンまでもシドニア風味の丸顔美少女にされており、且つCGのぬるっとしたアニメーションがてんこもりの作画や文字通りキラキラした光の表現は、シドニアにはよく似合っていたが、ブラムに使うにはポップでライト過ぎると感じた。

とはいえ、キリイとシボのクールなやり取りには原作のニュアンスが強く滲んでいたし、自動工場の殺伐としただだっ広さや軌道車両の雰囲気は最高だった。せめて映画の7割を占める村の描写にもう少し生活感が無ければなあ。あと、づるはともかくシボとサナカンは美少女でなく美女であって欲しいし、ついでに重力子放射線射出装置の赤光も白に変えて欲しい。僕が原作を読んでずっと抱いていたのは、あの真っ黒な世界を切り裂く白い閃光のイメージで、赤はちょっと違うんだよなあ、、、

ブラムの映画を作ってくれた事はとてもありがたいし格好良い作品ではあるけれども、全体にライトな感触は原作信者としては少々物足りないものだった。昔ガンダムをデフォルメ化したSDガンダムというシリーズがあったが、本作はさしずめSDブラムという感じだろうか。せめて射出装置のやばい描写がもう一個くらいあれば。。