街の上で

映画『街の上で』公式サイト

今泉力哉監督 日 2019 130分 ☆☆☆☆☆

四人のヒロインが全員違ったファッションの系統で、全員可愛い。

「サッド・ティー」の監督が下北沢映画祭から依頼されて、下北を舞台に撮ったという映画。久し振りにオフビートでユーモラスな感じの若者群像劇でも見るかという程度でそんなに期待していなかったけど、凄く面白かった。ファッション含めた画作りも脚本もどちらも高水準。ランタイムは130分で結構長いのだけど、程よい塩梅でおしつけのないユーモアが全体にきいていてクスクス笑えるシーンも多く、全く飽きなかった。

特に最後の方の衣装係と主人公二人によるテーブルを挟んだ長回しの会話シーンにおける絶妙なむずがゆさと、そこからつながる翌朝の集合シーンは演技も脚本も秀逸。

全体に、若い時期特有の滑稽さや切実さ、我が儘、可愛げなどが丁寧に表現されつつも基本的にはバカバカしく、懐かしい感じもあるものの悲壮感は無いのが非常に良い。

四人のヒロインはそれぞれに明確にキャラクタとファッションが異なっており、全員最高に可愛い。あえて個人的にあげるなら古本屋さんのファッションが良すぎたのと、あと自分は関西出身なので関西弁女子には抗体があるが、衣装係さんの関西弁はそんな自分でも危険なレベルだったので他の地方の人、特に男子はよほど気をつけた方がよいだろう。

形や場所は違えども、誰にも多かれ少なかれこんな事や時期があったような気がする、、って、いや本当にあったか? それでも普遍性は感じる。そして何だかんだ主人公が羨ましい。そんな映画。