ドント・ブリーズ

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フェディ・アルバレス監督 2016 アメリカ ☆☆☆☆

想像していたより人間ドラマやサスペンス色が強めの作風だったが、面白い。

デトロイトに暮らす男2女1の若者3人組。生活苦や小遣い欲しさから空き巣を繰り返している。あるとき1人暮らしで盲目の老人が大金を隠し持っているという情報を得て夜中に忍び込むが、その老人は屈強な元軍人であり、またそれ以上にヤバイ奴である事がのちのち判明するのであった、、、

幾ら筋骨隆々であるといっても若者三人と盲目の爺さん一人相手では余りに爺さんが不利でホラーになるのだろうか、、などと思っていたが、本作では爺さん側のみに銃を持たし且つ自宅という地の利があることなどを各場面で上手に生かし、全体的に不自然さを感じさせることなくジジイをちゃんと化け物に仕立て上げている。

特に前半、急に廊下側にやってきたジジイを少年が咄嗟に壁に貼り付いてかわす、二人の体がミリ単位ですれちがう見せ場などは、子供の頃、友達の家で目隠し鬼という似たような遊びをよくしていた自分にとっては非常に覚えのある緊張感でクラクラきた。

終盤、ああこれでとりあえず終わりかなと思わせてから更に二転三転する展開もテンポ良くて楽しい。コンパクトなランタイムに意外性とお約束、そして若干のドラマがバランスよく詰め込まれ、B級ホラーらしからぬスマートさを纏った秀作。反面余白の考察などの楽しみは得づらいが、お菓子やつまみなど用意して手軽に怖い思いをしたい時には本当最適な作品。