残穢 住んではいけない部屋
中村義洋監督 2015 日本 ☆☆☆☆
原作小説は未読。ホラーは必ず部屋の照明を暗くし、1人で見る。なんらかの扉、戸棚などを少しだけ開けておくと尚良い。隙間って、なんであんな怖いのだろう。
竹内結子演じる心霊など実は全然信じていないホラー作家が、私の住んでいる部屋がおかしいという女子大生からの連絡を受ける。色んな人を巻き込みながらその部屋の呪いの起源を調査するうち、土地も時代もどんどん遡っていくという話。呪いが呪いを生みどんどん拡大していくというリング系の呪詛伝播もので、呪い自体はその起源も含めて余りヒネりも無いためプロット的な怖さでいうと物足りないものはあるが、全体に下品な驚かしが少ない、上品な演出でまとめてあり、総合的には非常に楽しかった。
ホラーは、どんなにプロットが良くてもデカい音とか突然顔がバーン!みたいな驚かしを多用されると、怖さとは別の所で見てるのが辛いので興ざめしてしまう。
本当、電灯がチカチカするとか、何かがこすれる音がするとか、所謂ショック的おどろかしはその程度にとどめ、あとは脚本や演出の妙で恐怖させて欲しいものだ。おばけドーン!も、一箇所くらいならありかもしれないが。
もっとも本作も、終盤幾つかのシーンではややずっこけな展開がある。中でもある廃屋に乗り込んでいくのに、わざわざ夜中に懐中電灯で入って行くのは流石に昼間行けよとのツッコミ待ちとしか思えなかったが、それも含めて全体的には全然愛せる仕上がり。
竹内結子はめちゃくちゃに綺麗だし、平山夢明を演じている佐々木蔵之介の切れるけど変わり者っていう佇まいも堪能。地味だけど丁寧に作られた良作。