光陰的故事
オムニバス 台湾 1982 ☆☆☆☆
台湾映画界の若手監督4人がメガホンをとり、1960~80年代を背景に子ども時代から青年時代までの4つの物語を手がけた短編オムニバス。第1話「小龍頭」(タオ・ドゥツェン監督)、第2話「指望」(エドワード・ヤン監督)、第3話「跳蛙」(クー・イチェン監督)、第4話「報上名来」(チャン・イー監督)の4話構成。
エドワード・ヤン監督の第二話を目的に観たが、どれも面白かったし、出てくる女性も男性もみな可愛い。一話と二話はどちらも少年少女時代の淡い思い出のような作品で、一話は直球のセンチメンタル、二話は主人公が強制的に夢見る少女じゃいられなくなるややドライな展開だが自転車の練習をする少年が非常に良いスパイスで、複雑で豊かな後味。三話と四話はややコミカル寄りな青年の話で、特に四話は非常におしゃれ且つストレートにコント。
作風はそれぞれに違うがどの作品にも共通する懐かしいような空気感。映像にも適度な湿度と落ち着きがあってジワジワと心地良い。全体に薄く緑がかった、やや古びたような質感の映像って当時の台湾の流行だったのだろうか。冷たさと暖かさのバランス、ややひんやりに寄ったような具合で、丁度いまくらい、初夏の時期によく合うと思った。